2025.01.27
皆さんは新車に乗った時の、独特な臭いで気分が悪くなった…という経験はありませんか? その原因は、車内に使われている接着剤や各部品から発生する、揮発性有機化合物というもの。 新車ではなくとも、車に乗ることで頭痛やのどの痛みなどの、気になる症状が出るという方も少なくなく、シックカ―症候群とも呼ばれています。 実はこの問題、家づくりにも通じる部分が多いです。 今回は「化学物質と家づくり」をテーマに、新車と家のにおいの共通点から、化学物質のリスク、これからの健康的な家づくりに必要なポイントを、詳しく解説していきます。
揮発性有機化合物とは、蒸発しやすい有機化合物、通称VOC(Volatile Organic Compounds)のこと。代表的なものには「トルエン、キシレン、酢酸エチル」などがあり、その数は約200種類にものぼります(※1)。
車や家に使われる接着剤などに含まれる化学物質が蒸発、混ざったVOCに起因したニオイや室内環境が、アレルギー反応・体調不良を引き起こします。
(※1)経済産業省 VOC排出抑制の手引きー自主的取り組みの普及・促進に向けてー(第3版)https://www.meti.go.jp/policy/voc/downloads/VOC-tebiki_22fy.pdf(参照2025-01-24)
症状➡眩暈、頭痛、吐き気など
症状➡目、鼻、喉への刺激、眩暈や頭痛など
症状➡目、鼻の粘膜への強い刺激など
症状➡鼻、喉の粘膜を刺激、渇きやせきなど
これらは一例ですが、揮発性有機化合物(VOC)が人体に及ぼす影響は大きいです。
しかし、VOCは乾燥性や親油性など優れた性能が多く、工業製品や医薬品、化粧品、洗浄剤、車や家などの製造にも、利用されているため、生活から完全に切り離すことはなかなか難しいのです...
揮発性有機化合物(VOC)によって車と同じように、家でもさまざまな症状に悩まされる場合があります。
厚生労働省では、室内空気環境の悪化により、皮膚・粘膜刺激症状、頭痛、易疲労、めまい、嘔気・嘔吐などの精神・神経症状が主要症状で、基本的にはその環境を離れるとよくなるものをシックハウス症候群としています(※2)。
シックハウス症候群には下記のような症状があります(※2)。
(※2)厚生労働省 科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000155147.pdf(参照2025-01-24)
ここからは、注文住宅の家づくりにおいて、シックハウス症候群を対策するポイントを見ていきましょう!
家族の健康が心配、日常生活でどんな影響が出るのかといった心配をできる限り減らすことができます。。
自然素材は合成化学物質を含まない天然の材料です。無垢材や漆喰、珪藻土、竹、セルロースファイバーの断熱材などは、シックハウスの原因にもなるVOCを放出しないだけではなく、高い調湿効果や環境への影響にも配慮した素材です。
シーリング材や接着剤、塗料にはVOCが含まれないものか、含有量が少ないものを積極的に使用することで、シックハウス症候群のリスクを減らします。
化学成分も少ないため、耐久性にも優れていることがほとんどです。
一年中快適な室内環境を実現するには、高性能な換気システムで新鮮な空気に入れ換えたり、室内の温度や湿度を適切に保つために断熱性の向上も重要です!
湿度が高すぎると、カビやダニが発生しやすく、さらにVOCが含まれる建材や家具にとっては、より揮発を助長する環境になってしまいます。
無垢材や天然素材で造られたもの、水性塗料やオイル塗料、UV塗料など、揮発成分がすくない塗料で加工された家具など、家の建材や断熱による室内環境と同じようにこだわってみましょう。
これらのポイントを意識することが、室内空気環境の悪化を防ぎ、シックハウス症候群を引き起こさない安心の家づくりに繋がっていきます。
今回は新車と家の臭いをテーマに、その原因やリスク、家づくりのポイントをご紹介しました!
宮本工務店 一級建築士事務所では、家族の健やかで快適な暮らしを叶えるために、自然素材にこだわった家づくりをおこなっています!
新築住宅はもちろん、リフォーム・リノベーション事業も展開し、年間500組以上のお客様にご利用いただいています。
宮本工務店一級建築士事務所の家づくりは、住宅のグレードも自由に相談できることで好評いただいています!
シックハウス症候群をはじめとするアレルギー症状や、臭い問題にも配慮した建材のこと、換気設計とこだわりを両立したデザインのこと、なんでもお気軽にご相談ください。