2025.03.07
2025年の建築基準法改正により、いわゆる「4号特例」が大きく見直されることになりました。これにより、新築はもちろんのこと、リフォームや増改築にも一定の影響が生じるため、十分に把握しておく必要があります。
4号特例とは?
「4号特例」とは、建築基準法第6条第1項に規定されている確認申請の審査簡略化措置のことを指します。具体的には、以下の建築物が特例の対象とされ、構造関係規定の審査が省略されていました。
木造建築物で、2階建て以下かつ延床面積500㎡以下
木造以外の建築物で、平屋建てかつ延床面積200㎡以下
これにより、4号建築物については設計者の責任のもとで構造安全性が確保されることになっていましたが、過去の地震や災害を受けて、審査の簡略化が安全性のリスクを高めているとの指摘がありました。そのため、今回の改正で特例の適用範囲が大幅に縮小されることになりました。
改正のポイント
今回の改正では、以下のような変更が行われます。
4号特例の適用範囲の縮小
構造に関する審査が義務化され、木造2階建て以下の建築物でも審査対象となる。
設計者の自己確認だけでなく、建築確認申請時に構造の審査が求められるようになる。
確認申請の負担増加
これまで簡略化されていた構造安全性の確認が義務化されるため、建築士の業務負担が増加。
審査期間の長期化が予想されるため、工期に影響が出る可能性がある。
既存建築物の増改築にも影響
リフォームや増改築時に構造部分の変更が含まれる場合、より厳格な審査が必要になる。
耐震改修を伴うリフォームでは、新たに構造計算を求められるケースが増える。
リフォームへの影響
この改正により、新築だけでなくリフォームにも以下のような影響が考えられます。
工期の延長
これまでよりも確認申請に時間がかかるため、リフォーム工事の着工までの期間が長くなる可能性があります。特に大規模リフォームや増築を含む案件では、スケジュール管理が重要になります。
設計・申請コストの増加
追加の構造計算が必要になるケースが増えるため、設計や申請に関わるコストが上昇する可能性があります。これにより、リフォーム費用全体が上がることが予想されます。
耐震リフォームの需要増加
改正によって建築確認の際に耐震性の確認が厳格化されるため、耐震補強工事のニーズが高まると考えられます。特に、1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物は、リフォームの際に耐震補強が求められるケースが増えるでしょう。
まとめ
今回の4号特例の改正は、リフォームにとっても重要な変更点を含んでいます。
増改築や耐震リフォームの際には、より厳格な構造審査が求められるため、事前の計画と準備が欠かせません。